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結局私たちが逃げ続けたのは、20分くらいだったと思う。
そして、最終目的地が体育館だったのはあまり驚くことでもない。
阿島さんってば、盛大に宣伝してたしね。
お陰で体育館の人がすごいことになっていて、外から覗いている人がいるほど。
「お集まり頂きありがとう!楽しみにしてもらってるところ悪いけど、私たちはミスコン運営を乗っ取らせてもらった!!よって!これから行うのはミスコンならぬなんちゃってミスコン!!」
司会をする阿島さんを周りはざわざわとしながらも注目していた。
なんちゃってミスコン……それは……。
「おい…すげぇ美女じゃね?あんなやついたか?」
「いやいや、右の子も萌え…。」
エントリーしたというメンバーが舞台に上がっていく。
だけど何かおかしい。
それはすぐに気付いた。
そう、エントリーメンバーだ。
皆、綺麗だと思うけど…。
誰一人、私が聞いていた人がいないのだ。
「エントリーナンバー8!ごめんなさい!いい素材のメンバーがなかなか揃わなかったから…相撲部から!!この方!!」
聞き間違いでしょうか。
今、相撲部って言ってた……?
「「おい!!ふざけんなぁぁ!!!」」
紹介後に舞台に上がったのは……。
「さすがに無理があるでしょ。」
いかにも相撲部って感じの体型の男性でした。
いや、この場合はどうだろう。お化粧とかしているから…。
「待て!まさか…。」
「いや、やめてくれ…夢を…夢を壊さないでくれ!!」
相撲部の人の登場で周りがさらに騒がしくなる。
さすがの私でも分かっちゃう。
この、なんちゃってミスコンは…。
「さぁさぁ!!第一回なんちゃってミスコン…もとい!女装大会を制するのは誰ですかね!!」
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