お姫様になった日

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やっぱり。 綺麗だと思った人もまさかの男性。 「ふふーん、私のメイク力はすごいでしょ?優芽とやったのよ。」 坂野さんは自慢げだ。 ちなみにメンバー集めも坂野さん中心だったらしい。 「誰が投票するかよ!」 「そうだ!こんなのふざけんな!」 「うるさい!!ミスコンだって同じでしょう?少しは晒されろ!」 「そうよ!なんで女の子ばかり見せ物にならないといけないのよ!!」 観客でも男女で対立しちゃってるけど…中には面白がって盛り上げようとしてくれている人もいた。 「各々方!せっかくの文化祭!どうせなら楽しもうよ!」 すごいなぁ、阿島さん。 こんなことになっているのに(やらかした張本人だけど。)堂々としていて。 「いいぞーやれやれー!」 「へぇ、あの人って女装すると…。」 喧嘩している人もいるけど、段々面白くなってきたのか、皆このイベントから目を離せなくなっている。 「見つけたぞおおお!!阿島!!」 「げっ!赤鬼センセっ!!」 あれは…赤嶋先生だ。 生徒指導の代表な人。 「まぁた悪さしやがって…!お陰で他のクラスはカッコウドリが鳴いてるじゃねぇか。」 そ、そんなに? 確かに盛大に宣伝してたけど…。 「うーん、赤鬼センセ来たとなると限界だなぁ。ねぇそこの君たち!あとは任せた!」 「「ええ!?」 適当にいた生徒に丸投げ…。 「ね、どうよ?」 「え?」 「こんな文化祭も悪くないっしょ?」 ふと阿島さんに聞かれる。 そういえば、あの怖いっていう感情が全くない。 むしろ今は少しだけわくわくしていた。 「はい。」 「よかった。まだ君と遊びたかったけど…これ以上は赤鬼センセに捕まっちゃうからね。」
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