お姫様になった日

20/20

40人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
私が逃げ出したことではなく、どうやら阿島さんに何かされていたと思われていた。 みんな私を宥めてくれる。 みんな知らないんだ。 あの人がどれだけ優しいのか。 あの人が誰よりも素敵な人なのかも。 「白鷺さん?」 「大丈夫だよ…何もされてない。」 私を可愛いと言ってくれた。 また笑顔にしてくれると言ってくれた。 思い出すだけでもドキドキと胸が痛い。 「本当に?脅されてない?」 「うん。」 みんなは知らない。 だけど私も教えない。 だってみんな知ってしまったら、あの人のことを好きになっちゃう。 あの人のことを知るのは…私だけがいい。 阿島さん。 彼女とまた会えますように。 その時にこの気持ちをあなたに。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加