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「ふふっ。」
でもなんていう発想なんだろう。
普通はそんなこと聞いたら、気分を害するに決まっているのに…。
この人は相当、
「変な人。」
「なぬっ!普通だよ!」
普通の人はそんな鍵を変えたり合鍵を作ろうなんて考えない。
どこからそんな発想が生まれるのか分からないけど、この人が普通じゃないのは確かっぽいかも。
「だってそんな考えしないもの。」
「えー、だってサボるなら快適な場所でサボりたいじゃん?」
「そんな場所なんてありませんよ?」
「だから作るしかないんだよ!」
やっぱり変な人。
快適な場所がないなら作るって…。
というよりも本当に授業に出ないことを大前提にしているなんて。
「ねぇ、」
「はい…ぇ?」
阿島さんが手を伸ばしたと思いきや。
さらっと私の前髪に触れる。
「うんうん。表情が柔らかくなったね。やっぱり笑うとすごくいいじゃん。」
「ぁ。」
学校一問題児の阿島さんと話していつの間にか緊張が解けていた。
それ以上に気持ちがとても軽くなっていたことに言われて初めて気付く。
「もしかして…。」
「うん?」
「わざと…ですか?」
「いや?わりと本気で快適な場所作りを考えているよ。」
…………やっぱり変な人だ。
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