私を映す鏡 【短編】

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 鏡の中の私に問い掛ける。  18歳って、大人なの? 子供なの?  5月10日生まれの私は、18歳になった。  法改正で今度、18歳から大人の扱いになる。結婚は出来る。クレジットカードは作れる。でも、まだ社会人としての経験も無い。  大人でもない、子供でもない、中途半端な年齢だと思った。  それに結婚できる年齢になったとしても、圭太とは叔父と姪の関係、血縁3親等だから結婚は出来ない。どんなに好きでも無理なんだ。  鏡を見つめ、首を傾げる。  母に似ている私を圭太は好きになってくれるかも知れない。  ソレハ、ワタシヲ スキトハ イワナイヨ。  圭太は父に頼まれたから仕方なく世話をしてくれているだけなんだ。  キット、ソウダネ。  母によく似ている鏡の中の私。  ドウシタラ イイノ?   本当は、分かっているどんなに好きでも叶わない恋だという事を……。  でも、好きという気持ちの止め方を私は知らない。    
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