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プロローグ
桜の舞い散る季節、僕は入学試験に挑もうとしていた。入学式じゃない、入学試験だ。多くの人間が新しい環境に胸膨らませて入学するのを尻目に、僕達は裏山の入学試験に向かった。
私立霰第一高校。大正時代今はもう名もなき陰陽師が身寄りのない子供達のために作った時代遅れの寺子屋のような物が始まりらしい。戦後に一般の学舎として開放したものの、そこはもう亡くなった陰陽師の友であっただろう妖怪たちの巣窟だった。
その後妖怪とは付かず離れずの関係を綱渡りで続けて今の霰第一は成り立っている。
……とここまでが僕が知っている情報。そんな霰第一が遂に妖怪達の学びと成長を目指す妖怪科を作ってくれた。お金持ってない妖怪のために、学校を怪異から守ることで免除という親切なものまであった。
しかし、人間達の読みは甘かったようだ。
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