入学試験

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僕は石のように固まった。あたりが一気に騒ついた。倍率が40越え、試験する人たちも本気で僕達をふるい落とす気なんだ。 「お静かに!……詳しい説明に入る」 理事長曰く、月に一度点数の下位200前後を不合格にする方針らしい。自由に辞退できることを考慮しても、月に少なくとも200人はいなくなると言うことだ。 2400から始まり、2200、2000、1800と人数を減らし、来年3月の最終試験で60人にすると言うものらしい。 戦慄した、いつから人間社会はこんな切り捨て式になったと言うんだ。それとも妖怪相手だから勝手がわからないのか?どちらにしても怖すぎる。 「思ったよりも怖い試験ね……」 「最近の人間はおっかねえな、ついこの前までは俺たちや動物と同じようなもんだと思っていたぜ」 みんなもザワザワとしていた。 「さあ受験者達よ、そろそろ今日の課題、人間への変化を見る時間だ。理事長、あとはお任せください」 試験官達がゾロゾロと今日早速始まる課題の準備をする中で、ある者は忽然と、ある者は落ちてしまってもいいかのような心の余裕で、ある者は自分は大丈夫だと強気なもの、多種多様だった。 僕は不安だった。2400人のライバル達を相手に、今から僕は戦うんだ。そう思うと怖かった。
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