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三兄弟の末っ子として生まれた葉純は、末っ子の女の子だったためか、幼少期から父にとても可愛がられていたと記憶している。そんな父がとても好きだったこともまた事実であった。
好きが嫌いに変わることに明確な境界線はない。
昨日と今日、そして明日に区切りがないように。今日嫌だったことが、日付をまたいだことによって、すぐに消えることがないように…
中学二年生。
その影は、じわじわと葉純を引きずり込んでいった。
父親が気持ちわるいという話が女の子の間で広がっていた。
中学から女子校に通い始めた葉純にとって、この世界が全てだった。最初は、気持ちわるいという理由が分からず、"どうして?"と聞くこともあった。しかし、決まって返ってくる答えは明確な答えなどあるはずもなく、"なんか嫌"という曖昧なものだった。
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