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ぼくは園長室へ向かった。
一番古い園長の記憶は少し白髪が混じり始めたおじさんだったが、今ではすっかりと頭は真っ白になり、杖をついて歩いている。育ての父親である園長とこうやって会うのは久しぶりだった。
「……この部屋に来る、と言うことはわたしの申し出を受けるのだな」
「……はい」
園長を真っ直ぐに見て、頷いた。
子どものいなかった園長はぼくを養子として引き取ったのは、この遊園地を任せる人間を必要としていたからだ。そのために、ぼくは顔の整形を受け、若い頃の園長の見た目にし、血の繋がった息子のように見せるためだった。
ぼくが拒んだ理由としては、本当の被りものを被らないといけないことが嫌だったからだ。だけど、どんな人も誰かから愛されたい時に、何かを被る。
ぼく自身、本当に陽射しの下で歩くためには自分自身を捨てるしかなかった。
ぼくが暗闇から抜け出すにはこの方法しかなかった。
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