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 網に入れられたまま、抵抗虚しく僕はあの牢屋のような部屋に連れて行かれた。僕を部屋に入れて終わりかと思ったら、那と二人の従者が一緒に部屋に入ってきた。そしてガチャンと大きな音を立てて鍵がかけられた。 「元気なことはいいことですが、余計な手間をかけさせないでくれますか?」  那の声は先程と変わらず静かで、優しそうに聞こえたが、僕はそれが恐ろしく感じた。 「でもっ、いくらなんでもこの部屋は……」 「何か不都合でも?あなたにとってもお似合いだと思いますが?」  そう言って微笑む那。僕が言葉を発する前に那は思い出したようにいった。 「お似合いと言えば、そうそう。あなたにプレゼントがあります」 「いりません」  僕は嫌な予感がしたので、それが何かを確認する前に言った。 「残念ながら、あなたに拒否権はありません。さっき、あなたが鳥の獣人だということを知ってしまいましたから」  そう言ってポケットから華奢な作りのチョーカーを取り出した。チョーカーは透き通った青色をしていた。 「これはですね、獣人が獣化しないようにすることができる魔法のチョーカーです」  ニコニコしてそう説明しながら、彼は僕の方へ近づいてきた。逃げようとしても、従者二人に体を押さえられているから、身動きが取れない。その間に那の細くて長い指によって、チョーカーがつけられてしまった。冷たいと思っていたら、突然、体からスッと力が抜けていく、いや、吸い取られていく感覚があった。混乱している僕を見て、 「よくお似合いですよ」  と那はふふっと笑いながら言った。もう従者たちに体を押さえられていないのに、腕を微かにしか動かせなかった。 「あっ、言い忘れていましたが、その首輪には獣人の力を弱くさせる作用もあるそうですよ」  僕は元々力があまりないからか、激しい頭痛と共に、強烈な眠気が襲ってきた。 「じゃあ、さようなら」  といって、那と従者たちは部屋を出て行った。再び大きなガチャンという音と共に重い扉が閉まった。
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