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飲み会は楽しい時もあれば、面倒な時もある。
仲間うちだけの少ない人数ならまだいいけれど、ゼミ単位、それも教授の研究室の人たちも院生も卒業生の有志もとなると、親しく話したことのない人が半分以上だし、少なくとも俺にとっては飲んで食べてというより緊張したり疲れる方が大きい。
だから、面倒な時はバイトで手が足りないとか言って最初からばっくれることもあるけど、今日来たのは
「来るよね?」
何度も小山に言われたのと、今は教授や研究員、院生たちの席に居るあの人が来るから、だった。
人見知りのくせに、ああやって人の中に居る分には如才なく見える。
なんとなくそちらに目が行っていると
「鳴瀬君って、本当に全然お酒飲まないんだね」
隣に座っている橋本に言われ、慌てて視線を戻した。
「あ。うん。全く飲めないか分からないけど……酒飲むの自体があんまり好きじゃないから」
「どうして?」
親父が飲んで酔っ払う姿が嫌いだから、なんて個人的なことは言いたくない。
「なんとなく」
「じゃあ、周りの人が飲んで盛り上がってるのもあまり好きじゃない?」
「いや、それは別に……楽しいのはいいと思うし、人に迷惑かけない範囲ならいいんじゃね?」
と、何とか話を合わせていると、微笑ましそうに向かいの席の小山が見ているのがムカつく。
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