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「そういうことじゃないよ。ただ、お前が断った時『好きな人や付き合ってる相手が居るわけじゃないけど、誰とも付き合うつもりないから』って返事だったから、まだそのままなのか知ってるかどうか聞かれただけだよ」
いつも友人たちの中でバランス取る繋ぎ役みたいになってるこいつらしい言い方だと思った。
それだから他の奴が気づかないようなことでも知っていたりするし、異性にも相談相手として頼られる。
それは、こいつのいいところだと思っているし、気が置けない友人ではあるけれど。
むっと顔をしかめていると
「何にしても、俺が無理にこうしろって言えることじゃないのは分かってるよ。でもさ、それくらい想ってくれる相手が居るなら、ちょっと考えてあげてもいいんじゃないかって思うわけ。実際、正直うらやましいし」
ストローを咥えたまま、俺を睨む。
何も言い返せない。
「――――で、今の話を踏まえてもう一度聞くけど。好きな人居んの?」
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