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「……大丈夫です」  いや、この人が橋本の件を知ってるわけがない。  話の流れでたまたま出ただけだろう。 「……俺は……女の子と付き合うつもりはないです」 「へえ」  ん?  ……待てよ。言い方……。 「あの、今のは」 「……そうだ。佐藤さんからデザートのシャーベットが自家製で美味しいとも聞いてたんだ。頼んでみようかな。きみも食べるかい?」  思い出したように言って奏人さんは品書きを手に取る。  なんとなく狐につままれたような心地で俺は言った。 「……食べます」 「そう。じゃあ何にしようか」  何事もなかったように彼は嬉しそうな笑みを見せた。
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