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別に橋本自身には何の悪い感情も無いが、こうして仕組まれたように隣にされて目の前に陣取られると、見張られてるみたいでさすがに面白くない。
「バイト先の人なんかとも飲まないの?」
「うん。飯もほとんど行かないし、終わったらだいたい真っ直ぐ帰る」
「お前ほんと何が楽しみなの?」
小山がからかうように言った。
「え?」
「飲み会とか飯もそんなに行かないし、アニメとかアイドルにハマってるわけでもないし、学校とバイトの往復ってどうよ?」
……まあ、そう言われても仕方ないけど。
バイトも早く独立出来るように金貯めるために行ってるだけだし。
けど、そんな話をするのも面倒で黙っていると、橋本が言った。
「でも、あたしも特に趣味とかないよ。なんとなくテレビ見たりするのも、ネットで評判いいドラマだから見てみようかなとか、友達がこの動画面白いって言ってたから、とか。自分から興味持つより、人に流されちゃうかも」
フォローしてくれたんだろうな、と思っていると
「そういうの、俺もあるある。こないださあ」
小山がその話に乗り、多分これはこれで橋本に気を遣って合わせてるんだろうと思うと、それならいっそ俺を挟まないで二人で話せばいいじゃないかと考えてしまう。
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