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「はぁ?なんすか、それ。気持ち悪い」  言ってから、胸に妙な苦さが込み上げた。  自分だって、いや自分こそ同じことを言われても仕方がないというのに。 「……学食で彼に話しかけられたのは、きみとお好み焼きを食べに行った日の昼。だから、あの時はきみの考えていることが手に取るようだったけど、でも僕が余計な口を出すと更に話がこじれそうだったからね。知らないふりをして悪かった」  黙っていると、奏人さんは話を続ける。 「最低限だけ言えば、きみの好きな人を知っているかと聞かれた。僕は知らないと答えた。彼は、ずっときみのことを好きな女の子が居るから協力したいんだと言っていた。友達としてきみが大切だから、きみが誰を好きでも構わないけど、それとは別に、皆に祝福されるような相手と付き合って欲しいと思っている、ということも」 「……それ、俺も言われたけど矛盾してますよ」 「そうだね。彼の中でもいろいろ混乱してるんだと思う。友達としてきみが好きだから幸せになって欲しいのと。彼が納得する形で幸せになって欲しいのと。……それから、多分、好きな人の願いを叶えてあげたいのと」 「――――ん?」  奏人さんは言った。 「気づいてなかったかい。彼は、友達としてきみのことが好きで、異性としてあの橋本さんという女の子のことが好きなんだよ」 「は?」  思わず大きな声が出て、慌てて声をひそめる。
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