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俺は、友達に対するこだわりっていうのはそんなに無い方だと思うけど、それでも同じ立場に立たされたら微妙な気持ちになるだろうってのは分かる。
「……なんか、知らないとこでいろいろ複雑なことになってたんすね」
「大変だね。好かれる男は」
「でも、俺は……」
「ん?」
「……いや……なんでもない、です。……つか、意外に酔ってなくないですか?」
一次会の店でぶつかってきた時には、あんなにふらついて、ろれつも怪しいくらいだったのに、今はゆっくりだけど普通に歩いているし、喋り方も問題無い。
奏人さんは笑って言う。
「きみは、本当に素直でいい子だね。それだから、皆に好かれるんだろうけれど」
「……どういう意味ですか」
答えずに彼は少し先に見えてきた、白いアパートを指差した。
「あそこだよ。あの2階」
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