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分かったような分からないような……だったけど。
結局そんな風に丸め込まれて、あの人んちで餅食ってゴロゴロして過ごして終わった。
あれって、自分が外出るの面倒だっただけじゃねーのかな……。
「……あの人は、独特だからな」
「なんか、察した」
「聞いていいか?」
「何?」
「……小山は、いつから橋本のこと……」
「気がついたのは、今年に入ってからだな」
「へ?」
小山は苦笑いを浮かべる。
「それまでは、そういう意識無かったよ。何とかお前とうまくいくようにってそれしか考えてなかったし、納会の後は、ちゃんと立ち直れるか心配で連絡取ってた感じだった。初詣行ったり、飯食ったりしてるうちに気がついたって感じ」
「……お前さあ」
「なんだよ」
「お前、俺のこととか他人のことはすごい分かってるのに、自分のこと見えてない奴だったんだな」
「そうだな」
「素直だな」
笑って、小山は言った。
「だから、反省したんだよ。分かったつもりになってただけで、お前の気持ちなんか何も考えてなかった、って。自分が彼女と付き合うことになって、やっと、お前に何言ったって無駄だったし、喧嘩売ってたんだなって分かったわけ。……周りがどうでも、関係ないよな」
俺が黙っていると
「なんだよ。引くなよ」
と苦笑いする。
「や。別に引いてはねーけど……あんまりそういう真面目な話って、したことねーだろ?」
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