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 ……けど待てよ。お好み焼きだって店によるけど鉄板からひとつの食ったりするよな。  あの人ならいいんだろうか。  溜息混じりに小山が言った。 「鳴瀬は飲まないから、飯の方がいいって?」 「うん。まあ」  校舎の中に入っても朝の空気はまだ冷たい。教室の中は暖房がついてるんだろうけど。  廊下を歩いていると、小山が言った。 「あのさあ、今日の放課後、暇?」 「今日は、悪い。バイト」 「そっか」 「なんで?」 「……ちょっと……話あって」 「別に昼休みとかでもいいけど?」  小山は眉を寄せて考える。 「明日は?」 「明日なら大丈夫」 「そしたら、悪いけどちょっと付き合ってくれる?」 「いいけど、気になるんだけど何の話?」 「お前が苦手な話」 「は?」  にやりと笑う小山に、嫌ぁな予感がした。
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