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1.高校生がストライキ
ぼくが高校に入学した時、1週間以上、全く授業がなかった。
入学式、対面式、オリエンテーション、身体測定等々が原因ではない。
実は、その間ずっと、ストライキが、行われていたのだ。
日本教職員組合等による、教師のストではない。
生徒が、高校生が、ストをしていたのだ。
学校側に対し、「 7項目要求」を掲げた「無期限スト」を。
「 え~、高校生がスト!?」
などと、平成生まれの人は、驚くかもしれない。
(「 スト」という言葉を知らない人・意味を誤解してる人もいるよう )
が、ぼくが高校に入学した当時は、珍しい事ではなかった。
大学生や高校生のストは、「 日常茶飯事 」だったのだ。
ぼくが高校に入学した年、東京大学に、新入生は1人もいなかった。
東大生のストライキ、「 東大紛争 」で、入試ができなかったのだ。
今の時代、東大生と言うと、テレビのクイズに登場するイメージ。
が、当時は、ヘルメット姿で、ニュースに登場するイメージだった。
ぼくが入学したM高校は、当時の、典型的な「 受験校」だった。
地元国立大学に、年100人以上合格者を出した事が、御自慢の。
毎日、8校時もの、授業があった(1校時の前に0校時も!)。
夏・冬・春の長期休み中も、盆と正月以外は、毎日補習授業。
クラスは、2年からは、受験大学別・能力別に、編成された。
中間・期末試験ごとに、順位・名前が、廊下の壁に、はりだされた。
当時、「 受験地獄」「 受験戦争 」という言葉があった。
M高校は、まさに、その象徴的存在だったのだ。
が、ぼくが入学した時には、「 紛争の有名高校 」と化していた。
授業は6校時、強制補習廃止、通常クラス編成、順位発表廃止……。
紛争によって、「 受験校 」と呼びずらい学校に、変身していた。
その上、さらに7項目要求を掲げ、生徒が無期限ストをしていたのだ。
( 2.授業をせず、何をしていた? に続く )
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