十四.

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十四.

「……雷星は……何の()()も無いただの普通の高校一年生なんだ。 そんなお前がいきなり全く知らない異世界で大戦争に巻き込まれたらどうなる? 何ができる? 特殊能力の一つや二つ身に付けたとしても、それだけで簡単に王になんかなれるわけないだろう? 何度も何度も最強最悪の敵や状況に追い込まれてボロボロになって死にかけるに決まってるんだ。 だけどそれでも雷星は立ち上がる、立ち上がれ、戦え、生きろ。 自分の全てをかけて、成長して、仲間を増やして、何度でも戦え、(あらが)え、生きろ、生きろ! 生きろ雷星!! あきらめるな!こんな所で倒れるな! 僕が絶対にお前を死なせたりなんかしない! 何があっても!作戦が全部失敗しても!仲間が死んでも!何もかもを投げ出したくなっても! あきらめるな!立ち上がれ!剣を取れ! 戦え!戦え!生きろ!生きて戦い続けるんだ!! 戦争なんかじゃない、自分自身に勝つんだ! 戦え!生きろ!生きろ雷星!!」 書きながら、いつの間にか声に出して叫んでいた。 そしてこの言葉は雷星だけに向けられたものではないのだと、叫んだ声が自分の耳に届いてから気が付いた。 雷星は、今の僕自身だ。 あふれる涙が、汗と、指先から(したた)る血と共に床を濡らす。 それでもペンは止まらない、絶対に止めない。 そのまま丸二日、僕は一睡もせず何も食べず、ひたすらに書き続けた。
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