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十七.
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『まぁ、まだ続けますよ。
読んでくれる人がいる限りは。
ありがとうございます』
デビューしてプロで書き続けることは、やっぱり確かな目標だ。
だけど、小説を書くのは、それだけのためじゃ無かっただろう。
物書きは、書いてる時は一人だけど、書くに至る過程や、書き終えた後には、そうでも無いんだ。
『鳴神纏様ならばきっとそう仰って頂けると信じておりましたので、僭越ながら佳作の御祝いを速達にて御送りさせて頂いております。
御手元に届いておられますでしょうか。
最近は相手方の本名も住所も知らずとも贈り物がかなうのですね』
との美香津木エルさんのレスを見た所で、ちょうど家のドアホンが鳴った。
受け取った箱を開くと、新品のノートパソコンが現れた。
タイミングといいこの贈り物といい、この人は超能力者か何かなのだろうか。
『ありがとうございます。
これじゃあもう書くしかありませんね』
複雑な笑みを浮かべながらも僕は、雷星を形造る文字列で真っ黒に埋め尽くされたままの机の上にパソコンを置くと、電源を入れた。
終
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