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「ほんとに?嘘じゃ無いよな?」
ぎゅっとより強く抱きしめられながら、上から苦しそうな声が尋ねてくる。
「嘘じゃ無いよ」
「俺は真下に怪我をさせたのに」
「もうそれは気にしないで。
黒井君が魔法をかけたんでしょ?かかっちゃ駄目だった?」
私が腕から顔を上げると黒井君が泣きそうにも思える顔でいて、目が合うと恥ずかしいのはすぐに顔を逸らした。
「かかって欲しかったけど、俺より先に魔法をかけた人がいたし、それを俺は真似したようなもので」
「篠原先輩は尊敬の対象なの。部長と幸せでいて欲しいと思ってる」
「野村の方が俺なんかより色々気付いて配慮できる」
「黒井君があの時側にいてくれたから篠原先輩達の事あまりショックを受けずに済んだし、この指輪のおかげで小指を見るのが楽しみになったんだよ」
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