第四章

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「・・・・・・あの」 「えっと、俺のこと、好きって言った?」 混乱しているのか、区切りながらゆっくりと彼が尋ねるので思わず笑いそうになりながら頷いた。 「もしかして友達としての好きって意味とか」 彼が段々不安そうな顔で言うので、耐えきれなくなって笑い声を出してしまった。 「真下・・・・・・」 「ごめんなさい。そんな不安そうな顔されるだなんて思って無くて」 「頼む、わからないからちゃんと教えてくれ。 俺の彼女になってくれるって、こと?」 必死にも思えるその態度に、私は、はい、と答える。 突然腕が引っ張られ、私は彼の腕の中にいた。 冷たいコートが頬にあたり、背中をぎゅっと大きな腕が抱きしめている。 私は硬直したままで、頭が真っ白になった。だって男子にそんなことされるなんて初めてなのだから。
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