第四章

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「よろしく。悪いけど俺はこの先魔法を解く気は無いから」 え?と声を出すと同時に指切りをしていた手がはずれ、そのまま繋がれる。 大きな手はとても冷たかったが、彼はしっかりと手を繋いで恥ずかしさがこみ上げてきた。 「帰ろう。家まで送る。 せっかく彼女になってくれたのに、ご両親にこれ以上悪い印象もたれたくないから」 真面目な声に思わず吹きだした。 そんなところまで考えていただなんて。 確かに怪我をさせた事に怒っていたお母さんはこの結果をどう思うのだろう。 忘れていてくれないかな、格好よくて優しい彼が出来たのだと紹介したい。 手を繋いだまま展望台から階段を下りていく。 ただ並んで上がった時よりも、きっと心も身体も近くなった。 「・・・・・・あの、これから下の名前で呼んで良いか?」 彼がおずおずと聞いてきたので、私は恥ずかしさから声が出せずに頷いた。
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