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「…由美子さん、久しぶりだね。あなたは、私達にたくさん幸せを運んでくれたね。あなたがこっちに来てから、毎日明るくて笑いが絶えなくて、とっても楽しかったよ。迷惑もいっぱい掛けただろうし、あなたなりに気も遣ってくれてたんだと思う。本当にごめんね。タケシのことは、私達に任せてね。これからも、この子をちゃーんと立派に育てるよ。だからどうか、見守っていてあげてね」
言い終わると、ばあちゃんもやはり涙をこぼした。
皆から「次はタケシの番だぞ」という空気を出されているような気がしたが、オレは何を言えばいいのかまだ分からないままだった。
それでも、母ちゃんに何か言わなきゃいけない。
言わなきゃいけないことがある。
「…母ちゃん」
やっと出したオレの声は、少しだけ震えていた。
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