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「あんたは?将来の夢とかあんの?」
母ちゃんの壮大な夢を聞いた後、特に夢も目標もなかった父ちゃんはかなり答えづらかった。
「うーん…俺は…家の田んぼを継ぐ、くらいかな」
「え、田んぼがあんの!へー!行ってみたいなぁ」
母ちゃんは父ちゃんをからかうことなく、笑ってそう言った。
「来てよ!」
「行く!行く行く!絶対行く!」
「本当に?」
「ほんまやて!」
きっと酒の勢いで言っているだけだ、こんな女性が俺の町なんかに来るわけがない。
父ちゃんはそう思った。
しかし旅行が終わって二人は一旦サヨナラをして日本に帰った後、母ちゃんは本当にこの町へやって来たらしい。
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