母ちゃんのハナシ

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待ち合わせしていた駅前に母ちゃんは車を止め、そこへ迎えに行った父ちゃんと合流した。 「キヨ〜!会いたかった〜!」 大きな車から飛び降りた途端、母ちゃんは父ちゃんの元へ走り寄り勢いよく抱きついたらしい。 女慣れしていない父ちゃんは、母ちゃんのそんな大胆なところにいつもドキドキしっぱなしだったみたいだ。 母ちゃんからはいつも同じ、甘くてふわっとした香りがしていた。 だげど何の香水を使っているのかは、結局最後まで教えてくれなかったそうだ。 ちなみに俺は、まだ人生で一度も香水とやらを使ったこともなければ買ったこともない。 父ちゃんは、母ちゃんを自分の親に紹介した。
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