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ばあちゃんと、その頃まだ元気だったじいちゃん。(じいちゃんは3年前に病気で亡くなった)
二人とも、母ちゃんのことをすごく気に入った。
母ちゃんの地元で有名だという手土産のお菓子を持ってきて、それを父ちゃんの家で4人で食べたらしい。
よく喋り、よく笑う、見ていて飽きない女の子だった、とばあちゃんは言った。
「由美子さんがいるだけでね、その場がぱぁっと明るくなるんだよ」と。
この田舎町を、母ちゃんはすごく気に入ったらしい。
父ちゃんと二人で、川や山へ行ったりして、すごく満足していたという。
「あたし、この町めっちゃ好きやわ!こういう自然、ほんま癒される!このままここに住みたいわ〜」
母ちゃんがそんなことを言うから、ばあちゃんもじいちゃんも「私達も由美子さんに住んでほしいなぁ」なんて言った。
すると母ちゃんは「住めたらいいねんけどなぁ…」と言って、一瞬だけすごく寂しそうな顔をしたらしい。
何か事情があるのかな、とばあちゃんはその時思ったそうだ。
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