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「…君が、タケシか?」
おじさんがオレを見て言った。
「…あ、はい。タケシです!」
オレは少し緊張しながらも、大きな声で答えた。
すると、おじさんの目が急に涙で潤んだ。
「いやぁ、参った…こんなに大きくなったんか。あんなに小さかったのに…。じいじのこと覚えてるか?」
「覚えてるわけないでしょ!タケシ、あの時まだ2歳やってんで?」
「ごめんなさい、全く覚えていません」とオレが答える間もなく、おばさんがすかさず言ってくれた。
「あぁ、そうやんなぁ…。タケシ、すまんな。お前のことも、勘当するようなことしてもて…。過去の俺に言いたいわ。孫の成長を、見守り続けろよって。こんな大きくなるまで放ったらかしにしてもて、ほんまにごめんなぁ…うぅっ…」
そう言って、おじさんは泣き出してしまった。
父ちゃんといいおじさんといい、オレはここ最近大人の泣いているところばかりを見ている気がする。
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