母ちゃんのハナシ

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「あぁ、それね、由美子の香水。あの子、えらい気に入っててね、いつもその香水使ってた。その匂い嗅ぐと、なんかあの子を思い出してね、寂しくなるというか恋しくなるというか」 おばさんはそう言って、少し寂しそうに笑った。 「ディオールのプワゾンって香水なんだけど」 「でぃおーるの、ぷわぞん…?」 「でぃおーる」も「ぷわぞん」も、初めて聞く名前だった。 「ふふっ、そりゃ知らんよね。ちょっと振ってみよか」 きょとんとしているオレを見て、おばさんは香水をシュッと宙に振った。
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