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やがてオレ達はおじさんの高級そうな車に乗せられ、母ちゃんのお墓へ向かった。
墓地は閉園間近で、すでに日は沈みかけていた。
母ちゃんの実家がある都内から高速道路に乗り、30分ほど走ったところにその墓地はあった。
それは少し山を登ったところで、あの都会からは想像もつかないほど自然に囲まれたところだった。
「これが由美子のお墓」
おばさんに案内され、母ちゃんのお墓の前にオレ達は初めて立った。
「由美子、来てくれたで、あんたの家族が。タケシ、こんなに大きなってんで。男の子やけど、顔立ちとかあんたによう似てるわ。…ごめんなぁ、今まで連れて来てあげられんくて…」
おばさんはお墓に向かって言った。
「いつもな、こうして話し掛けてあげてるねん。皆んなも、なんか話し掛けたって」
おばさんにそう言われて、オレは困った。
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