20年後

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「おじさん、オレ継ぐよ。会社」 自分でも、ほぼ無意識だった。 気が付くとオレはそう言っていた。 「…え?」 おじさんは驚いた目で俺を見つめた。 動揺しているのがすぐに分かった。 「継ぐ。おじさんの代わりに、オレが継ぐよ。…母ちゃんの代わりにさ」 オレはおじさんの目をしっかり見つめ返して、はっきりそう言った。 「…タケシ、本気で言うてるんか?」 「本気だよ」 「…経営っていうのは甘くないぞ。知識も必要や」 「分かってる。ちゃんと勉強する」 「…ほな地元出るんか?」 「出る。こっちに住もうと思う」 「…そうか。まぁ、やってみろ。そない簡単やあらへんでな」 「分かってる」 オレは力強く答えた。 オレが病室を出た後、一人残されたおじさんが嬉し涙を流していただなんて、この時のオレは想像もしていなかった。
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