君だけのナイト☆

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しばらくすると、ハルは眠りにつき、俺は温めていたレトルトのお粥のガスを止めた。 眠っている間、あまり音を立てないよう気遣いながら、買ってきていた飲み物やプリンやゼリー、ヨーグルトは冷蔵庫にしまう。 改めて、ベッドの傍らで、ぐっすり眠っているハルの寝顔を眺める。 瞼を閉じた長いまつ毛、薄く開いた唇、熱のせいか頬は紅潮したかのようなピンク色。 さすがに風邪で寝ているハルを襲うつもりはないが、やっぱり可愛いな、とハルの寝顔を見つめた。 「.....ぱい」 「ん?」 「せん....ぱい....」 「どうした?ハル」 どうやら寝言らしい、ハルは目を開けはせず、ただ独り言のように呟いているだけだ。 「....かないで」 行かないで、か?と俺はハルの瞼にかかる前髪を払い、 「....何処にも行かないよ。ハル。傍にいる。安心して寝てろ」 俺は眠っているハルに声を掛けた。 「....き」 「ん?きついのかな」 俺はハルの額に貼っていたシートを取り替えようと、ハルの額に触れた。 「....すき。せんぱ、い」 ドキッとした。 そのまま、すーすー、寝息を立てるハル。 先輩、てだけで、俺かどうかもわからないってのに、なんで、ドキドキしてるんだ、馬鹿か、俺は....。 恥ずかしさと少しのジェラシーの中、ハルの額のシートをそっと、真新しいものに取り替えた。 ふと、そんな時だった。 ドンドン、けたたましく、ハルの部屋の玄関のドアがノックされる。 ノックというより、叩いている、と言っていいだろう、次第に音は激しさを増し、ついにはどうやら、ドアを蹴っているようだった。 「開けろよ、ハル!居るんだろ!?居留守、使ってんじゃねーよ!」 挙句の果てには、怒声まで聞こえ、ハルもさすがに目を覚ました。 「なんだ?騒がしい奴だな」 俺が立ち上がりかけると、ハルは俺のトップスの裾を引っ張った。 「あ、開けないで、先輩。無視して」 「無視、て....」 こうしてる最中も、ドンドンガンガン、容赦なく、ドアが叩かれ、蹴られている。 ハルは俺を見上げ、泣きそうになりながら、首を横に振り、俺を制止した。
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