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――ドリームボックスの中に落とされた直後、私はやってきたパパとママによって救い出された。
間一髪で、死を免れたのだ。
あの時の事は未だ毎日のように夢に見る。
ドリームボックスの中に残されたコタローやモモの怨嗟の声や、最後まで名前を知る事のなかった雑種犬の達観したような目は、私の記憶の中に鮮明に焼き付いたままだ。
あれから数年が経ったが、もう二度とパパやママの側を離れるような失態は犯さぬよう、私は静かに暮らし続けている。
露頭に迷った犬がたどり着くのは、ドリームボックスという恐ろしい箱だ。
その暗闇の中で、日々多くの犬達の命が奪われている事を、私達は肝に命じるべきなのだと思う。
《了》
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