暗闇に光るメロンパン

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「ハルコ?」  うつむくハルコは自分の名前を呼ぶ声を聞いた。 「ハルコか?」  そっと顔を上げると、少し伸びたロンTとハーフパンツを履いて髭を生やした青年が立っていた。  高校時代の同級生のケントの姿がそこにあった。   「……ケント?」 「やっぱり!ハルコか!」  ケントはびっくりした表情を浮かべてからハルコに微笑んだ。 「久しぶりだな」 「ほんと久しぶりだね」 「連休でこっち帰ってきたのか?」 「うん、そうそう」  ハルコは久しぶりの再会に思わず笑みがこぼれた。 「ケントは?こっちに住んでるの?」 「あぁ、そうそう、まだこっち。実家にいるよ」  そう言うとケントは少し照れ臭そうに頭をかいた。  そして、少し間を置いてケントはベンチを指差した。 「あ、そこ、隣、座ってもいい?」 「あ……うん、どうぞどうぞ」  ハルコはベンチの左側に寄ると、右側にケントが腰をおろした。  
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