0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハルコ?」
うつむくハルコは自分の名前を呼ぶ声を聞いた。
「ハルコか?」
そっと顔を上げると、少し伸びたロンTとハーフパンツを履いて髭を生やした青年が立っていた。
高校時代の同級生のケントの姿がそこにあった。
「……ケント?」
「やっぱり!ハルコか!」
ケントはびっくりした表情を浮かべてからハルコに微笑んだ。
「久しぶりだな」
「ほんと久しぶりだね」
「連休でこっち帰ってきたのか?」
「うん、そうそう」
ハルコは久しぶりの再会に思わず笑みがこぼれた。
「ケントは?こっちに住んでるの?」
「あぁ、そうそう、まだこっち。実家にいるよ」
そう言うとケントは少し照れ臭そうに頭をかいた。
そして、少し間を置いてケントはベンチを指差した。
「あ、そこ、隣、座ってもいい?」
「あ……うん、どうぞどうぞ」
ハルコはベンチの左側に寄ると、右側にケントが腰をおろした。
最初のコメントを投稿しよう!