Capitolo 13

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「ううん、連絡くれて嬉しいよ。やっぱりニュースになってるんだ?」 『なってるよ! え? 知らないの?見てない?』 意外そうな恵の声。 そうだ……。 自分は何も見てない。 恵は、何を見たんだろうか? 「なるべく見ないようにしてるんだ。なんか色々書かれてるのかな? どういう風に言われてるの?」 美砂は訊いてみた。 夕暮れが終わりかけてる空を見上げながら。 『……そうなんだ……そっか。見てないならその方がいいよね。……あの、大変だったね。美砂の事が心配でさ、それで電話しちゃったのよ』 気を遣うものの言い方がまたなんとも彼女らしくて。 「ありがとう。ごめんね心配かけて。たしかに大変だったよ。お葬式の最中にそんな事になるなんてさ」 『やっぱりそうだったんだ……。健さん……最期まで……』 そう言って恵は言葉を詰まらせた。 彼女だって言葉を繋げるのはしんどいだろう。けれども美砂はとても気になった。自分がどう言われてるのか彼女なら知ってるのだろうか? 「ねえ、世間ではなんて言われてるのかな?」 思い切って訊いてみたのだった。 『ん? まあ、それは……お葬式の最中にあった事件をみんな色々言ってる感じだよ。奥さんでもない人が喪主してたとか、お金の問題とか……でも、でもねみんな憶測……っ』 「ちょっと待って! 今なんて言った?」 美砂はスマホを握る手に力を入れた。 奥さんじゃない人? だれが? 『なんか、ほんの少しの間同棲してた女の人が仕切ってたんでしょ? それでご両親が来てないお葬式ってどうなのかなとか、お金の問題とか……ニュースで言ってる……。ごめん、こんな話聞きたくないよね……美砂』 その言葉に美砂は息を飲んだ。 同棲? 結婚してたんじゃなくて? 「それって、恵……、健さんは晶さんとは婚姻関係ではなかったってこと!?」 『ん……最初は【山口晶さん】って報道されてたけど……今は同棲してた女性って報道されてるよ…… その人って、浮気相手の女の事なの? ねえ、何があったの?』 「彼は、私と別れる時、その人と結婚するって言ったの……。だからてっきり奥さんなんだと思ってた……。お葬式の連絡もいただいたくらいだし……」 言いながら、ちょっと待て、と頭の中でブレーキがかかる。 おかしくない? 今までの言葉の一つ一つがまるで奥さんそのもので。 自らも、伊吹ではなく山口晶と名乗っていたじゃないか……?どう考えても婚姻関係だとしか考えられない。
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