episode1. 前田りょう

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 硝子玉がこちらを向く。  色素の薄いさらりとした髪。  キメの細かい肌に長い睫毛。  彫刻のように美しい顔立ちには形の良い唇。  私よりも僅かに高い身長。  そこに居たのは少しばかりあどけなさの残る美少年だった。  息を飲む。 「綺麗……」  わたしは思わず言葉を零していた。
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