5人が本棚に入れています
本棚に追加
「実は……妊娠しました」
えぇ……?
「え!? なおみんマジで!」
「おめでたい〜!!」
私の誕生日祝いから一気に直美の妊娠祝賀ムードへと路線が変わる。
結婚話、子供の話、未来の話。
周囲が盛り上がる中、私は顔に笑顔を貼り付ける。
この歳になる女性は疾うに結婚していて、子供もいて、洒落気づく暇も無くなって……
私には縁のない話か。
何処からとも無く感じる疎外感を掻き消すようにアルコールを次から次へと体内に摂取した。
この中で一番最初に27歳の階段を上った私は、どうも1人で水の上をぷかぷかと浮遊しているようだった。
最初のコメントを投稿しよう!