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それから二人で空を見上げた。
夕焼けのオレンジ色はとても濃くて綺麗で、夜を運んで来る深い青色と、ぶつかり合うちょうど境い目のそこは、互いに互いを尊重し合うようにいつまでも、どこまでも続いていた。
対照的なオレンジと深い青色は、まるで私と田中くんのようで。
「私、幸せになれるかな」
思わず、口をついた。
そうしたら、
「幸せになろう、必ず。──ううん、僕がきっと蓮見さんを幸せにしてみせる」
そう言って私に向かって手を伸ばす。その手は、わずかに緊張しているようで震えていた。
きっとまだ慣れてない。この関係に。だけど変化した関係は私たちの絆をもっと強くする。
だから私は自然とその手に自分のそれを載せた。
恋って不思議だ。
一度その人のことを好きになってしまうと、どんどん好きになって「好き」に終わりはないらしくて。私はそのことを初めて知った。
いつか誰かが言っていた。
恋は、盲目だと。
確かに、その通りかもしれないと思った。
神様と出会って、運命の人を知って、それが田中くんだと告げられた。
そんな出会いから私たちの関係は始まった。
結局それは嘘だと知ることになったけれど、今はどうでもよかった。
──むしろ、こう思うんだ。
七年前のあの日、ここで田中くんと出会ったのは、赤い糸が引き寄せられたからかもしれない。
そして、私たちはあの日、運命の赤い糸を結んだのかもしれない。
──自分たちの、意識の中で。
「幸せになろうね、二人で」
私の口からは、そんな言葉が溢れたのだ。
それを聞いた田中くんが、私の手を握りしめた。優しく、大事に、壊れ物を扱うように。
私も緊張してる、でもなんだか幸せで。心が満たされていて。
手を繋いだ彼が、田中くんがすごく愛おしく思えたんだ──。
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