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祭日の翌々日、あらかじめペリエから連絡を受けたとおり、宅配で牛肉を受け取った。たっぷり三人前はある。
久しぶりに庭で肉焼きでもやるかと思いつつ、とりあえずペリエに通話アプリで連絡を取る。数回のコールの後出たのは、落ち着いた声の男性。彼がペリエだ。
「もしもしドラコ、ごきげんよう~」
「ヘイ、ペリエ。お肉届いたよ。ありがとう」
「今回使ったの、結構良いお米牛だからおいしいはずだよ」
「まじか。プレーンで焼いておいしいやつだ」
しばらくたわいもない話をして、ふとペリエがこう言った。
「そういえば、今度一緒に遊びに行かない?」
「ん? いいよ。どこ行く?」
「本屋さん行って、その後お茶しよ」
「いいですとも!」
本屋のあとに喫茶店に行くのは、私達の定番コースだ。私もペリエもとにかく本を読むので、少なくとも月に一回は本屋に行っている。
日程のすり合わせと待ち合わせ時間を決めて、通話アプリを切る。するとゼロがふよふよと寄ってきて声を掛けてきた。
「またペリエとおでかけか?」
「うん、本屋さん。ゼロちゃんも来るよね?」
「私が付いていかないと絶対買い逃し出すでしょドラコ……」
「テヘペロ」
ペリエと遊ぶときにゼロもいるのはいつものことだ。だから特段断りを入れる必要もない。
私は手帳を出して予定を書き込んだ。
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