人々を愛した代償

33/36
前へ
/36ページ
次へ
3人の中で最もさっぱりしているミレが言った。 「覚悟決めるなら早い方が良いでしょ?日取り決めて、父上の所へ1日も早く帰る方が、父上も安心するかと。ずるずる居ても別れが辛くなるだけでしょ。特にパルなんか泣き出すんじゃないです?」 パルは一応言い返した。 「泣かないようにしますよ!ただミレの言う通り、決まったなら長居しない方が良いかもしれません」 ソロは頷いて 「よし。なら3日後の夜に、誰にも告げずに此処を出よう」 と言った。 身支度もあるし、少しの時間は必要だと思ったからだ。 3日の間、3人は悔いのないように患者と接し、また心の準備をし、少ない荷物を纏めた。 プロメテウスの所へ戻ると、プロメテウスはルイスと一緒に玄関先で出迎えており 「よく頑張ってきたな。おかえり」 と3人を招き入れた。 「父上、お元気そうで嬉しいです」 パルは不死身のプロメテウスに、何故かそう言って涙ぐんだ。 それを見たソロは、笑顔でパルの背中を叩いた。 「積もる話もあるだろうが、今夜中にこの家を出る。3人共支度があるなら今からしなさい」 プロメテウスの言葉に3人は返事をし、準備をしてからイリオスを出立した。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加