エブリスタコミュニティガイドライン改定と『表現の自由』

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 こちらのサイトでネット小説を書かれている皆様は告知が表示されたかと思います。 (私は毎日ログインしていますが、今朝、表示されましたね)  私は昨年、ネット小説の世界で活動を始めました。それまでは紙に拘ってましたね。それまでネット小説には偏見を持っていましたが、それはすぐに素晴らしい書き手様との出会いで打ち砕かれました。  さて、今回。コミュニティガイドライン改定のお知らせ。簡単に解釈すると 「『通報』があればどんな作品だろうとバンバン消しますよ」 って解釈でいいと思います。  私はネット小説活動をまずは「しょうせつかになろう」で始め、二か月持たずに五回の警告(あそこは三回で垢ばんと言われてますが、私は五作品で五回の警告でした)で即垢ばんとなりました。『はもん』ですね(今は工藤千尋のなりすましがいますが)。  ほぼ同時に登録してました「かくよむ」でも(あそこもエロのべる多いですよ)、運営様からメールが。 「通報来ました。運営の判断から、修正するか、削除しないと強制削除になります(これは共通でどこの運営様も具体的に『どの部分を直してください』は言えないようですね)」と。  垢ばんとまではなりませんでしたが、作品は『下書きに戻す』でよしとしていただきました。今まで読んでいただき、評価をしていただいた作品が削除になるよりは、その証を残すという意味での『下書きに戻す』でした。  こちらのサイトはそういう意味で『表現の自由』についてはかなり寛容であるなと思っていました。ちなみに「あるふぁぽりす」は予告なく即削除となりますね。えろには寛容ですが二次創作には厳しい(腫物には触れたくないのでしょう)と感じました。  そんなエブリスタ運営様からのお知らせに「あー、とうとう来たか」が率直な思いですね。  小説とは、物語とは、文字を組み合わせて読み手に想像させるものだと思います。それでは次の二つの文章を比べてみましょう。 1 少年は包丁を持って厨房に立っていた。 2 少年はずっと気になっていた女の子の帰り道を待ち伏せし、電柱の陰に息をひそめながら包丁を持って立っていた。  この場合、1の文章は「ああ、料理少年の物語なのか」と読み手は想像します。2の文章は「あ!これは思いつめてストーカーとなった少年がとうとう一線を越えてしまうのでは!?」と読み手は想像します。でも1と2の文章は  『ずっと気になっていた女の子の帰り道を待ち伏せし、電柱の陰に息をひそめながら』の表現があるかないか、『厨房』の一言が入っているかそうじゃないかの違いしかないんです。  これに規制を入れると「もう何も自由に書けないよね」になるかと。  この国は売れるなら殺人者の稚拙な手記でさえどんどん売ります。殺人者の『表現の自由』には寛容なのが現実です。  もっと幅広く言えば日本の現行法では『表現の自由』(ネットでの誹謗中傷も含む)には緩く、甘く、逆に『忘れられる権利』(表現の自由の逆のものです)は弱いです。  事実として「しょうせつかになろう」は18禁の作品をR18表記の縛りで「未成年に悪影響を与える作品はだめです」のスタンスですが、サイトには18禁の成人漫画を購入させるサイトへのバナーを貼って、それを収入の一つとしています。それってダメでしょ。  これは過去にネットで活動をされている方からもいろいろとアドバイスや意見をいただきました。 「我々はサイトの軒先を借りて書かせてもらっているのだから仕方ない」 と。  私の今の考えは 「同じようなサイトはたくさんありますし、運営も書き手や読み手を多く獲得することで他サイトと差別化を図り、優位に立とうとするわけであり。じゃあ、どこかのサイトで書き手さんが全員書くことをボイコットすればそのサイトは成り立たないですよね。書き手にも多くのメリットはありますし、そこは平等な立場を求めたい、乱暴に言えば『書いてやってる』ぐらい思っていいのでは?」 ですね。  最後に上村純子様の言葉を引用しておきます。上村様は主に少年誌で活躍されておられた漫画家様になります。当時の多くの未成年男子が「ああ!今週も早く読みたいー!」と楽しみにしていた作品ですね。集英社のじゃんぷでも「えろ」は大事!と公言されてます。そんな中、上村様の作品は発禁となってしまったのですね。のちに成人漫画として同じ内容で単行本も出すことは出来ましたが当時はかなり物議を醸しました。 「作家には表現の自由が、読者には表現を受け取る自由があると思います。18歳未満であっても性的娯楽を楽しむ権利はあるはずです。母親や政治家が言う健全な青少年っていったい何ですか?エッチなマンガを読むと現実の世界で性犯罪を犯すからなんて18歳未満を差別したいいがかり。セクハラや性的犯罪を犯す人間は基本的人格に問題があるんです。そういう人はマンガを読まなくても犯罪を犯します。ちゃんと分けて考えてください。みんなフィクションだって分かって読んで楽しんでいるだけです。マンガの世界は何でもアリの現実とは違った息抜きの場で教育とは違った役割を担っているんです」
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