導く事・2 ~暗闇のロックダウン~

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2020年春 文先生に言われた。 「紗耶香、書籍ばかり読み耽ってないで市場調査に行きなさい。まずは肌で感じて来なさい」 「は、はい、先生!」 あれから訳がわからないウィルスの勉強をしていた。これがわかれば医者になれたじゃん!と思いながら無い頭に知識だけを詰め込んで現場を見ていなかった。 「雲流~っ!雲流~っ!どこぉ~?出掛けるよぉ~っ!」 あんまり放ったらかしにしていたから何処にいるのかさっぱりわからない。 「あ~っはいはい。やっと出番ですかぁ」 何処からともなく現れた雲流はなんか前より男らしい顔つきになっていた。 「あれ?雲流、なんか変わった?」 「えっ?わかります? へへっ実は彼女が出来まして…で、その彼女がかわ…」 「あっそっ!いいから下に降りるよ!」 そんなおのろけなんか聞いてらんない。雲流の話を遮り雲流に股がった。 「全く人、じゃなく雲使いが荒いんだから…少しは話し聞いてくれたって…てか、紗耶香様、また体重ふえたんじゃないですか?ちときついなぁ」 「しょうがないっしょ!座学ばかりだったんだから!」ったく気にしてる事を言いやがる! 「それもあって文先生が下に降りろと言ったんじゃないですか?太った天女様なんて見た事ないですからねぇ」 「へっ、そうなの? やっばっ」 「では、出発します。紗耶香様ちゃんとお捕まり下さい。まっ、重いのでそんなにスピードは出ませんが…」 「っるさ~いっ!」 久しぶりの地上に向かい飛び立った。
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