second chapter

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 両親は他人に触れられない克実の結婚を諦めており、私が二度目の離婚をした時には 「孫は見られなさそうね…」  と肩を落とした。ただひとつ 「克実と愛実が仲良いのだけが救いだわ。老後のお一人様もお二人様でやっていけるでしょうし…金銭的には克実がいるからね…二人がずっと仲良くしていってくれたら…ねぇ、お父さん」 「ああ、結婚しない若者も多いんだ。それが経済的な理由という人もいるらしいが二人にはその心配はなく立派に自立している。この時代、それ以上望まんよ」  そう言い、生涯兄妹ずっと仲良くしてくれと私たちに念を押した。ただ、頭では理解してくれているが会えば一言二言と言われるのは避けられない。しかし 「今回は私が持って行くよ」  たまには顔を見せよう。兄が元気だとも直接伝えたい。 「ありがと、愛実。じゃあ持って行きやすい物を選ばないとな」 「年々難しいわよね、両親へのプレゼントって。もう何でも持っているんだもの」 「あはっ…去年、全く同じセリフを聞いた気がするぞ」  克実の車で百貨店へ行き、まだ何の目的も持たず二人で歩いていると 「こんにちは。昨夜お会いしましたね」  と向かいから歩いてきたダークブロンドの短髪をきっちりとまとめた白人男性に声を掛けられた。
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