eleventh chapter

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 愛実の腕がそっと俺の背中に回り 「ありがとう」 「ん、当たり前。愛実をずっと全部愛せる自信がある」 「…ありがとう、悠衣」  彼女の手がきゅっと薄いセーターを握りしめた。 「私も…まだまだ悠衣の熱量にはかなわないんだけどね…でも私も…」  ゆっくりでいいと背中をそっと撫で伝える。 「悠衣が好き…悠衣のことが好きです」  心が震えるというのはこういう事か…愛実の言葉が耳からでなく心に入ってくる感覚。ほんの僅かに震える小さなその声は俺の心を大きく震わせた。何か言わないと…だが嬉しいなんて言葉じゃ足りない。 「愛実、嬉しい…嬉しいんだけどそうじゃなくて…そんなありきたりな言葉じゃなくて…幸せで心が震えてる…愛実…愛実…愛実」  彼女を抱きしめる腕に力を込め強く抱きしめると、愛しい名前を呼びながら彼女の頭に頬ずりした。 「悠衣、好き。ずっとありがとう」  その言葉に顔を上げると愛実の頬を両手で包み 「いま幸せだ、俺」  そっと唇を重ねた。
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