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Dinner with Yui's parents *thanks for 20,000stars*
マレーシアから一時帰国された悠衣のご両親は‘Diamante Kai’会長として国内各地で顧客様へ会われたり、あの温泉へ行かれたり10月はほぼ都内におられなかったようだ。
「今週末、親父たちが一緒に食事どうかって。愛実の都合で土日のどちらでもいいと言ってきた」
悠衣は仕事のこともあり10月に数回会ったらしく、その時にパートナーと一緒に暮らしていると伝えたと言っていた。
「夜はどちらでも大丈夫。土曜日の昼は無理だけど、日曜の昼でもいいよ」
私は9月の温泉の時から彼の両親に会うか?と言われていたので帰国中に一度は会うとは思っていたのと、悠衣からご両親が人と会うのが好きな方たちだから会うだけで、決して付き合いに口を挟まれるようなことはないと断言されていたので、落ち着いて食事に行けそうだと思いながら返事をする。
「ん、そう電話する」
彼が食後の皿の最後の一枚を食洗機に入れながら言うので
「ありがとう、あとはやっておくよ」
と洗剤を投入する。そして食洗機の電源を入れているとすぐに
「ああ、俺…」
スマホを耳に当てた悠衣の声が聞こえてきた。
「愛実は、好き嫌いはないが量は食わない。でも肉を旨そうに幸せそうに食うぞ…俺の好きな表情だ」
会う前の情報が‘肉を旨そうに幸せそうに食う女’って…微妙よね。でも私が緊張や遠慮しなくていいように伝えてくれているのかもしれない。台所を片付け終えた私に優しく微笑み、手招きする悠衣を見て思った。
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