Dinner with Yui's parents *thanks for 20,000stars*

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 週末、少し早めに出るという彼に理由を聞くと 「そのワンピースに合うように髪をセットするから」  悠衣はホテル内の美容室を予約してあると言う。何て贅沢なんだと思うが、彼にその経済力があるのはわかっているので有り難く楽しむ方が失礼にならないと最近思える。だって普段の彼は、もやし炒めも美味しく食べてくれると知っているから。 「ありがとう。すぐ着替えるね」  ネイビーの総レースのワンピースに袖を通す。歩くたびにランダムヘムが動き、女性らしい柔らかい雰囲気を演出してくれるお気に入り。前中心とウエストはケミカルテープレースで、ラッセルレースに立体感が出ており、詰まり気味の丸襟は首元をほっそりと見せてくれる。タイミングを見計らって部屋に入って来た悠衣がワンピースのファスナーを上げながら 「今日はパールのピアスだけな」  そう言い耳にキスを落とした。その彼のネクタイにはパールのタイタックが刺さっている。 「悠衣、とっても素敵」 「愛実のパールと色味、大きさが同じようなのを探して作った」 「すごく似合ってる。ずるいよね、悠衣。格好良すぎじゃない?あっ、でもやっぱり格好いいより素敵って言葉のほうがぴったりか」  ピアスを手にしながら言うと悠衣が後ろから私を囲うように、ワンピースから出ている肘から先の素肌を撫で耳元で囁く。 「今から煽るなんていい度胸だな」 「もぉ…何でもかんでも煽ったことにしないでよ」 「1週間抱いてない…我慢しているところに明らかに煽られた。夜が楽しみだな」
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