Dinner with Ken and Lisa *thanks for 30,000stars*

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Dinner with Ken and Lisa *thanks for 30,000stars*

「悠衣だけど悠衣じゃない…」 「なんだそれ、俺は俺」  ソファーに座った愛実が一冊の雑誌を手におかしな事を言っている。 「滝沢社長は滝沢社長だけど…」  経済雑誌の企画で30代40代の若手社長のリレー式対談というのがあり、滝沢社長から俺へオファーがあった。その前の月は竹野内碧という日本サブコン大手No.1、竹野内工業の社長からオファーを受けた滝沢社長と竹野内社長の対談。今月は滝沢社長と俺の対談という訳だ。 「俺のスーツ姿なんて見慣れたもんだろ?」  俺と滝沢社長の写真の見つめて首を捻る愛実の隣に座り腰に腕を巻きつけ隙間なく引き寄せると 「滝沢社長に見とれてねぇよな?」  と耳元で囁く。 「悠衣がヤキモチ妬いてくれるの?」 「当たり前だろ」  と耳たぶを噛む。 「見とれてないよ」 「もう遅い…妬いたあとだ…眠れると思うなよ」
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