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「愛実、自分の思いの大きさや強さなんて受け取る側によるものだ。どれだけ自分が100%の思いを向けても受け取る側が横向いていては半減する。でも100%の思いを受け取る側も真っ直ぐ思いを向けてくれれば200%にも、それ以上にもなるはずだ。愛実が迷いなく俺だけを思っていてくれる事をしっかり感じて、俺も愛実のことを愛してる…これ以上望むことはないし、どちらかの思いが足りないなんてことにはならない。わかるか?」
少し曖昧に頷く愛実に
「それでも不安ならいつも以上に言葉で…体で伝え合おう…愛してると」
そう言い触れるだけのキスをする。
「やっと笑ったな、愛実」
「ありがとう…魔法の言葉と魔法のキスをもらったから大丈夫」
「なら…あとは全身で伝えてやる…愛してる、愛実」
「えっと…もちろん私も愛してるけど…お手柔らかにお願いします」
「それはどうかな?肉を食った体力を見せてもらわないと」
そう言いながらワンピースのファスナーを下げる。
「そんなすぐに体力は変わらないわよ…って何してるの?」
愛実の声に、ファスナーを下げた背中を手のひらで撫でながら答えた。
「ん?能力を試してる…」
「バックベルトを触っただけでわかるわけないでしょ…私でもわからない」
「わかる気がする…レースの感じと太さ…フックの数…愛実、これ当てたら俺の願いをひとつ聞いてくれるか?」
「くだらねぇ…ふふっ似てた?いいよ、わからないもの。どれだけ種類があると思ってるの?」
「俺の真似か?お前余裕だな…黒」
「黒なんて一番あるもの正解に出来ません」
「中心にゴールドのチャームのついた黒」
「…」
「正解見せて…ほら…正解」
「…無駄な能力だけど…正解だね…お願いって?」
「今夜は愛実が俺の上でイカせてくれ」
上に乗るのが苦手な愛実が真っ赤な顔を隠すように俺にしがみつき
「…最後まで出来るかは…わからないけど…いい?」
「大丈夫だ、下から協力してやる」
そのまま彼女を抱き上げ、深く口づけながら寝室へ向かった。
[完]
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