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ブレントとの電話を終え俺に凭れて座ったまま、愛実はしばらく会っていない友人に思いを馳せているようだ。
「紗綾が決めたんだ。大丈夫だろ」
「そうね」
「恋愛の形は人それぞれ。愛情の形も人それぞれ。その表現方法も人それぞれ。当人同士にしかわからないことの方が多い。それでいいんだ」
「うん」
愛実はソファーに横になると俺の腹に顔を埋めるようにして腰に腕を回す。
「お昼寝させて下さい」
「ん、いくらでも」
愛実の髪と背中を擦りながら静かに言う。聞こえていても聞こえていなくてもいいんだ。俺が今言いたいだけだから。
「俺は愛実を愛しているだろ?人から見れば理解出来ないこともあるかもしれないが…俺は愛実に言葉でも態度でも24時間365日愛情を注ぎたい。愛実が1秒でも不安になることのないように…溢れているくらいでいいんだ…そしたら今日みたいに友人たちにも心配かけることないよな。いつどこで誰から見ても愛実が幸せなんだから…」
そのまま寝るかと思った愛実が
「間違いなく幸せだよ…私は悠衣のおかげで幸せ」
そう言いもっと腹にひっつく。
「俺も毎日愛実に負けないくらい幸せ…今も煽られて幸せだ」
「また…おかしな事を言う…でもそんな悠衣も大好き」
「昼寝は中止だな、ベッドに行くぞ」
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